研究内容
これからの社会を切り開く子どもたちに必要な能力を育むための教育のありかについて,教育工学の視点から研究をしています。
正解のない問いを考え抜く,それを自分でコントロールできるような「自律的探究者」の育成のために,どのような授業,評価,環境が求められるのかについて研究しています。
探究的な学びの基盤となる能力とは何か,それをどう育むか
探究的な学びを実現するためには,児童生徒に探究の基盤となる能力が必要です。
探究的な学びのためには,教科等の知識や技能に加えて,情報をうまく扱うための「情報活用能力」が求められます。
そのような情報活用能力をどのように育むのか,その中の要素である思考スキル(考えるための技法)の指導に着目した研究を進めています
思考ツールを活用した思考スキルの指導
思考スキルは,集めた情報を自分の頭の中で整理・分析する際に用いられるものであり,情報活用能力の一部と言えます。
そして,思考スキルの育成・発揮を支援するためのツールとして思考ツール,シンキングツールをどう活用すればいいのかを研究しています。
関連研究業績(J-Stageへリンクします)
・学習指導要領に含まれる思考スキルの種類を検討したもの
・中学校学習指導要領における思考スキルを検討したもの(ベネッセとの共同研究)
・思考スキルの理解度と学力調査との関係を明らかにしたもの
・思考スキルが問題解決過程でどのように用いられるのかを明らかにしたもの
・関西大学初等部における思考スキル指導のカリキュラムの設計・評価に関するもの
情報活用能力の育成
思考スキルも含めた情報活用能力は,学習の基盤となる資質・能力として位置付けられており,教科等の学習を通して育成することが期待されています。このような情報活用能力を育む教科等の指導のあり方について,研究しています。
関連研修業績(J-Stageへリンクします)
・各教科等の学習指導要領の内容と情報活用能力の要素の関係を検討したもの
探究的な学びを支援する学習環境をどのようにデザインするか
探究的な学びをどのようにデザインするのか,基盤となる能力の発揮をどのように促し,児童生徒をどのように支援するのか,取り組みや学習状況をどのように把握し,指導の改善に活かすのかについて研究しています。
これらは研究業績としてしっかりとまとめられておりませんが,実践的な研究を進めながら,成果としてまとめていきます。
児童生徒の探究的な学びを支援する授業設計
児童生徒の探究的な学びを実践するということは,好き勝手にやらせるということとは異なります。
それではそのような授業をどのように設計すればいいのか,そのために教員にどのような支援が必要なのか,について研究しています。
特に,総合的な学習の時間の授業設計や,個別最適化を想定した授業設計に関する研究を進めています。
探究的な学びの状況を把握し,必要な支援を検討するための方法
探究的な学びの成果を評価するための方法
探究的な学びでは児童生徒一人ひとりの学習課題や目標,学習の進度,方法が異なることが想定されます。
教員はそれらの状況をどのように看取り,評価し,支援していけばいいのか,実践的に研究を進めています。